駒澤大学様
問い合わせ業務の効率化に Vertex AI を採用

掲載日:

駒澤大学様は、開校より140余年、前身となる「学林」に遡れば、430年以上の歴史と伝統を誇る総合大学です。
「仏教」の教えと「禅」の精神を建学の理念とし、現在は約14,000名もの学生が、7学部・9大学院研究科で多様な学びを得ています。
同学において、教職員から日々寄せられる問い合わせに対する回答文の自動生成において、Google Cloud の生成 AI を活用した検証を実施いたしました。

駒澤大学 様

本店所在地:東京都世田谷区駒沢一丁目23番1号
学長:各務 洋子
開校年:1882年年10月15日

(左から)
学校法人駒澤大学
総合情報センター 情報ネットワーク課 / インフラ係 武田 享也 様

ジーアイクラウド株式会社
技術部 / シニアマネージャー 原 隆太
技術部 / 對馬 直哉
営業企画部 / 武田 基樹

駒澤大学の武田様にお話を伺いました。

プロジェクトの背景

総合情報センター 情報 / ネットワーク課
武田 享也 様

本学は、今後の時代にふさわしい人材を育成できる大学を目指し、全学の英知を結集して、デジタル技術を活用した様々な取組みを行っています。

私が所属している総合情報センターでは、教職員や学生から学内システムや、アカウント・セキュリティ関連などの問い合わせが日々メールで寄せられたり、グループウェアへの掲示、システムのマニュアル・議事録作成、委員会向けの資料作成など、多くの事務業務があることから、デジタル技術を活用して、業務の効率化を実現できないか模索しておりました。

その中で、問い合わせ対応者の属人化であったり、作業時間が多く発生している「問い合わせへの回答文作成」に対して、生成 AI が活用できないか検討を始めました。

当初は他の生成 AI サービスの利用を検討しておりましたが、Google より「Gemini 」がリリースされたことをきっかけに Google の生成 AI サービスでの検証を決めました。

Google Cloud 導入目的と当社選定理由

Google の生成 AI を活用し、問い合わせへの回答文作成ツールとしての実用性可否を判断するために、まずは PoC にて検証を行いました。

回答の妥当性とメンテナンス性を重要視しており、生成 AI の活用シーンとしては、チャットボット形式でのアプリケーションを想定しておりました。

本学では Google Workspace を利用しているので、他のクラウドサービスを経由する事なく Googleのプラットフォームのみで完結できること、またアプリケーションを構築する際にアクセス制御やユーザ認証を容易に組み込めることなど、連携のし易さを考慮し Google Cloud を採用しました。

ジーアイクラウドは、Google Cloud を用いたアプリケーションの開発実績を多数有しており、要件整理から開発・サポートまで一気通貫で対応頂けることから、本PoCを依頼しました。

生成 AI 実行環境について

技術部 / シニアマネージャー
 原 隆太

本PoCでは、Google Cloud 上に保管した学内の各種ドキュメントに対して、Vertex AI を活用し、検索・要約・対話形式によるQ&A対応の3つの検証環境を用意しました。

PoCの結果、Vertex AI Conversation によって簡単に対話形式で学習精度を確認することができましたが、駒澤大学様内で業務利用可能という判断の前提として、チャットボット形式でのアプリケーション導入を検討されていました。
そこで、より業務利用のイメージを持っていただけるよう、簡易的では有りますが、ユーザビリティ性を考慮した、チャットボットWebアプリケーションも開発いたしました。

今回は、より早くお客様に環境を触っていただけることを重視していたので、実行環境の構築を一週間ほどで完了させる、非常にスピード感のある開発でした。

チャットポッドWebアプリケーションアーキテクト

検証方法

PoC を行う上で最も重要となる検証観点については、PoC計画フェーズにて関係者全員で議論をした上で決定しました。
問い合わせに対する回答内容の”精度” を定量的に判断することは難しく、例えば完璧な回答ではないが役に立つものであったり、または簡単な質問には正しく回答してくれるものの、複雑な質問にはまともな回答を返してくれないなど、単純な正答率だけで判断できない問題が多々存在します。

そのため、今回は定量的な検証観点はあえて定めずに、実際にこれまでに発生していた質問や想定される質問を整理し、その質問に対して AI の回答内容が「実用的」であるかを実際に問い合わせ業務を行っている人が判断するという、定性的な手法をとりました。

検証結果と今後のジーアイクラウドへの期待

本検証の結果、本学の問い合わせ業務における一次回答文の作成という観点において、解決すべき課題はいくつかあるものの、十分に活用ができると判断をいたしました。

今回、ジーアイクラウドには生成 AI のPoCから伴走いただいておりますが、我々からの要求に対して、生成 AI の活用のシーンを具体化していただいたり、想像以上に早く検証環境を構築いただき大変助かりました。
また、プロジェクト開始前の提案内容やコミュニケーションを通じて、スピード感や柔軟性、Google Cloud における実績やノウハウは十分にあると感じ、安心してお任せすることができました。

この先、本格的に Google の生成 AI を総合情報センターの業務に活用していきたいと考えておりますので、この先も引き続きご支援いただければと考えております。

主要採用サービス

Vertex AI Search and Conversation
Google App Engine

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