東京都立大学
AI マルチエージェントによる論文評価と講義動画の高度活用。ジーアイクラウドが伴走した「次世代の教育・研究モデル」とは

掲載日:

東京都立大学様は、東京都が設置する公立大学として、大都市における社会課題の解決と教育・研究の高度化を牽引しています。 約9,000名の学生が、7学部・7研究科で多様な知を深め、デジタル技術を活用した次世代の教育モデルの構築と、イノベーションを創出する研究環境の整備を推進しています。 本事例では、コロナ禍の講義動画を活用したQ&Aシステムや、 AI マルチエージェントによる論文評価システムの構築において、ジーアイクラウドがいかに技術支援と伴走を行ったのかを紹介します。

東京都立大学

東京都立大学 様
本部所在地:東京都八王子市南大沢1-1
学長:大橋 隆哉
設立:2020年4月1日

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(左から) 都立大学 システムデザイン研究科 / 情報科学域 / 教授 鈴木 敬久 様 ジーアイクラウド株式会社 執行役員 / 技術本部 / 本部長 原 隆太 (写真不参加)営業本部 / 営業部 / 営業第二課 / 課長 武田 基樹

都立大学の鈴木様にお話を伺いました。

■ プロジェクトの背景:
蓄積された「教育資産」の活性化と研究クオリティの追求

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システムデザイン研究科 / 電子情報システム工学域 / 教授 
鈴木 敬久 様

生成 AI を活用しようと考えた背景には、大きく2つの目的がありました。
1つ目は、コロナ禍で教員が蓄積した膨大な「授業のビデオデータ」の活用です。学生が動画を見るだけでなく、蓄積されたデータに対してインタラクティブに質問ができ、AI が即座に解説を返す『対話型学習』のようなシステムを作れないかと考えていました。
2つ目は、私たちが取り組んでいる「生体電磁環境研究」における、研究クオリティの向上です。論文や研究内容を AI に評価させ、改善点などを提示してくれる Agentic な仕組みができないかと模索していました。 当初は他社の生成 AI モデルも試していましたが、ちょうど Google 社 から生成 AI に関する案内があり、プラットフォーム構築の相談をしたところ、パートナー企業としてジーアイクラウドをご紹介いただいたのが始まりです。

■ 当社選定理由:
技術の「提供」ではなく、スキルの「定着」を支える伴走力

生成 AI を単なるチャットUIとして利用する分には問題なかったのですが、システムやプラットフォームとして組み込んで活用する方法については、我々にはノウハウが不足していました。 ジーアイクラウドは、専門的なプラットフォームの使い方を非常に丁寧に教えてくださり、我々の中にスキルがしっかりと定着するよう伴走してくれました。
大学のニーズに寄り添い、共に考えながら進めてくれるコンサルティング力があったことが、一緒にプロジェクトを進めたいと思えた大きな理由です。

■ 取り組み内容と成果:
学生主体で実現した、高性能かつ低コストな「マルチエージェントシステム」

取り組みは大きく前進し、特に論文の質判定(評価)システムについては、Gemini Enterprise Agent Platform(旧称 Vertex AI) などを活用して非常に良いものが出来上がりました。 具体的には、Google Cloud 上で複数の専門家 AI(マルチエージェント)を作り出し、判定基準となるガイドラインをデータベース化して RAG(検索拡張生成)で参照させながら総合的に評価を行うシステムを構築しました。基盤モデルの性能が飛躍的に向上していることもあり、学生が主体となって開発した仕組みであっても、実用的な高い性能を発揮しています。 また、驚いたのはそのコストパフォーマンスです。これほどの環境を構築・運用しているにもかかわらず、利用料は多くても月に2〜3万円、平均して1万円程度に収まっており、低コストで高い成果を出せたことには大変満足しています。
動画要約・Q&Aシステムに関しても、先日スペインで開催された国際会議で発表したところ「ぜひ自分たちの大学でも使いたい」と非常に高い評価をいただき、対外的な手応えを感じています。
 

■今後の展望:
AI 時代に求められる「オーケストレーション能力」

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大学という教育機関において、AI は業務や研究を効率化する「アクセル」であると同時に、学生の思考力低下を防ぐための「ブレーキ」の役割も考慮しなければなりません。 AI にすべてを任せるのではなく、「AI が生成したものを、自分自身で説明しきれるか」を必ず確認し、批判的思考(クリティカルシンキング)を養うことが今後の教育において極めて重要だと考えています。さらに、個々のタスクを AI に任せられるようになった時代だからこそ、複数の AI やツールを束ねて全体を設計・構築し、使いこなす「オーケストレーション能力」が、これからの学生には求められると感じています。研究面でも、自分が知らない分野の知見を AI に解説させることで新しい繋がりが生まれ、イノベーションに繋がると確信しています。
 

■ジーアイクラウドへの期待:
次世代の研究環境を支える柔軟な伴走パートナー

ジーアイクラウドには、今後も技術の進化に合わせた柔軟なサポートを期待しています。単なる技術提供にとどまらず、我々のような大学や、そこで学ぶ学生を相手にした最適なコンサルティングと継続的な伴走支援を、引き続きよろしくお願いいたします。

■ジーアイクラウド担当者の声:
広がる「学生主体」の開発。大学DXを支える伴走型サポート

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ジーアイクラウド株式会社
執行役員 / 技術本部 / 本部長 原 隆太

都立大学様との取り組みにおいて、「AI に正解を求めるのではなく、AI 同士に推論のプロセスを競わせ、人間がその妥当性をクリティカルに評価する。研究の本質である『問いを立て、検証する』プロセスそのものを AI によって高度化させるアプローチは、まさに次世代の研究スタイルの象徴だと感じました。
鈴木様がおっしゃるように、AI をプラットフォームとして使いこなすための技術支援や、学生の皆様に対するサポートのニーズは、他の大学様でも非常に高まっております。弊社では他大学様において、実際に学生の皆様と一緒になって開発を行うケースも増えてきております。今後も都立大学様の学生の皆様を交えながら、教育・研究現場に寄り添った有意義なプロジェクトを引き続きご支援させていただきたいと考えております。
 

■ 主要採用サービス

Google Cloud
Gemini Enterprise Agent Platform(旧称 Vertex AI)
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